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2015-01-11

ボクサーの練習と減量 その②

私が戦っていた「S・ライト級」は日本では比較的重い階級に位置しており、

1階級上のウェルタ-級(66.6kg)でも2試合していますが減量の影響は全く異なります。

余談ですが私のベストウェイトはウェルター級だったようで2戦ともKO勝ちを収めましたが、

何故ウェルター級で新人王トーナメントに出場しなかったかは以前記事に書いた通りです。



また、一般の方からはこんな質問を受けたこともあります。

『試合って普段の体重に近い階級じゃ駄目なの?

減量でフラフラになったらかえって力出ないじゃん?』
と。



勿論そういう選手もいますしジムサイドとの話し合いで決定するパターンが多く、

『原始的だね』と言われてしまえばそれまでですがどうせ同じ階級で戦うのなら、

試合の時に「より身体の大きな選手」が有利であるという発想から始まった様です。

総重量が同じであれば排気量の大きなエンジンを搭載している車のほうが、

走行では「より高いパフォーマンスに繋がる」という理論と同じであると言えます。



「計量」をパスすれば翌日の試合まで食事は自由に摂れます(現在は前日計量)が、

勿論「試合に勝つ為の減量」だった訳ですからベストコンディションを維持できるような、

胃に負担を掛けない食事の摂りかたでなければ頑張って減量をした意味がありません。
 
干からびた肉体に栄養を与え「自分が一番力を発揮できる肉体」に戻してあげることが、

リングに上がる前のボクサーが取り組むべき最後の仕事となります。

私は「63.5kg」のリミットでパスした体重を当日は「67.5kg」まで戻していました。

キャリアを重ねて行く中で「プラス4㎏」が自分にとってはベストだと気づいた訳です。



減量で胃袋が小さくなっている所へ冷たい飲み物などを一気に流し込むと、

胃袋にとっては余計な負担となりますから逆に食べ物が入らなくなってしまいます。

ゴクゴクと一気に飲みたい気持ちは「試合の後の楽しみ」に取っておき、

「暖かいスープ」などで時間をかけ胃袋をゆっくりと広げながら食事をしていきます。 

1日でどれだけ肉体をベストな状態に戻せるかは「自分の胃袋の強さ」にも比例します。



皆さんご存知の元・世界ライト級チャンピオンで現在はタレントであるガッツ石松さんは、

計量にパスすると(この時代は試合当日の計量)すぐに食べ物をお腹一杯に詰め込み、

トイレで喉に指を突っ込んで全て吐き出したそうです(食事中の方、申し訳ありません)。
 
上記したのは私の「ボクシングの師匠」から聞いたエピソードですが何を意味するのか?



ガッツ石松さんは「胃袋が異常なほど強靭だった」のでしょう。

食べ物を詰め込み無理やり広げた胃袋を吐いて空っぽにしてしまえば、

そこからはゆっくりと時間を掛け沢山の栄養を吸収することが可能となります。

並みのボクサーならコンディションを崩してもおかしくない「非常識な暴飲暴食」も、

胃袋が異常に強い「人間離れした怪物」に掛かればこうなります。 



ガッツさんはライト級の選手でしたから61.2kgが計量のリミットでしたが、

その夜リングに上がった時の肉体は1階級上の私よりも大きかったということです。

「内臓や肉体が並外れて丈夫である」ということが既に才能であると言える訳で、

そこへ惜しみない努力を積み重ねた者だけが世界チャンピオンになれるということでしょう。

明日、完結編を書きます。



本日もお疲れさまでした。



 END

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コメント

自分は試合まで4.5kgから5kgくらい増えてましたね。
5kgオーバーが4回戦の時に一回ありましたが試合時に体が重い感じがしました。
それからは5kgを超えないようにしてました。

Re:

闘う柔整師くん、よく抑えてたよね。

個人差はあるけど確かに5kg以上増えると重過ぎると思う。

それでもガッツさんみたいな人には関係ないのかもねww

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