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2014-03-02

「チャーハン」 怒りの三唱

もう十年以上も前の出来事になる。

プロボクサーを引退してから一度は定職に就いたものの、

すっかり情熱を失っていた私は再び職を転々とし始めていた。



その日は、解体工事の現場へ向かう途中にある「中華食堂」で昼食を取った。

仕事仲間とダンプに乗り込み、三人で毎日往復を繰り返していたその道は、

繁華街からはかけ離れた田んぼ道にあり、他にはドライブスルーが一軒あるのみ。

必然的にその現場へ向かう日は、コンビニやその食堂等を利用することが多かった。



五~六回は利用しただろうか?

店内はいつも賑わっており、トラックの運転手や頭にタオルを巻いた厳つい兄ちゃん、

言ってみれば、私達と似たような風貌の人間が「同じような事情」で多数来店していた。

私はその日、チャーハンを注文した・・・確か、大盛りだったと思う。

ガツガツと食事を済ませ、当時はまだ吸っていたセブンスターに火を点ける。

『やっぱりタバコは、中華の後が一番美味い』

確か・・・そんなことも思っていたような気がする。



そして店を出る際、他の客同様「三人別会計」で支払いに向かった。

店内はまだ混み合っており、店主の奥さんらしき人は手が離せないでいた。

そこに「おそらく店主のお母さんらしき老婆」が、レジの会計に現れる。

ここからの記憶は、生涯忘れることがないだろう。



仲間の一人が会計を済ま、先に店を出る。

二番目が私だった。



『俺、チャーハン』

千円札を取り出しながら私は自分が注文したものを告げる。

『・・・はあー??』

老婆に聞き返されたため、私はもう一度答えた。

『・・? だからぁ、チャーハン』

その老婆は、漫才の「西川きよし師匠」のように目をギョロッとさせてこう言った。

『はぁ?・・・ワンタン?』





『チャーハンだよっ!!!』 (お前ワザとだろ?)





後ろに居た三人目の仲間は腹を抱えて笑い転げ、

私は「リアルにドリフのコント」を披露する破目になった。

おそらく老婆は耳が遠かったのだろうが、今でもチャーハンを食べる度に思い出す。



そして本日も雨の中「手打ちラーメン珍来」に立ち寄り、

私にとっての定番、チャーハンの大盛りを注文するのだった。











湿っぽいチャーハンを食べた日は、「すし屋の中トロ」が不味かった時と同じ気分になる。

しかし「珍来」のチャーハンは、いつ食べても「しっかりとしたパラパラ感」がある。

最近は美味いチャーハンが食える店も減ってしまったが、珍来のチャーハンは嫌いではない。

そして「あの時の中華食堂」で食べたチャーハンの味はどうだったのだろう?

残念ながら「チャーハンを三回叫んだこと」以外、今となっては記憶が薄い。



 END

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コメント

そのチャーハンをまた食べに行ってみてはどうでしょう!?
つき合いますよ!

Re: タイトルなし

闘う柔整師くん、斬新な提案をしてくるね ww

まだ存続しているか調べておきます(≧∇≦)

俺もいく、、

、、でも珍来の方がいいな、きっと。

Re: 俺もいく、、

先生、珍来のほうが確実です。

写真にあるように、昨日食べたばかりですからww

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