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2013-11-24

Y's 小説 『ケンカ代行承ります』 第一話

『ケンカ代行承ります』 yuuki:著

 第一話



世の中は腐った奴らで溢れかえっている。

汚職や脱税、虐待や薬物、手口は巧妙化する一方で決して淘汰されることはない。

本来なら『一般人を守る立場』にある人間でさえ、平気で犯罪に手を染める時代だ。

いや、むしろ堅気の人間だからこそ『善人の皮を被った悪人』になれるのだ。

もはや誰を信じればいいのか?俺達は暗黒の時代を生きているのかも知れない。



まあいい、それでも犯罪として立件できるのであれば。

法律で裁けるものに関しては、合法的に処理すればいいだろう。

現代社会においては『裁判による決着』こそが、最も合法的なケンカなのだ。

しかし法の下で裁かれた結果、納得のいかない『不当判決』に泣く者も数多い。

『復讐してやりたい。もう法律なんかで裁いて欲しくはない』という人間は現存する。



『仕事にやりがいを感じてはいるが、上司のセクハラに耐えられない』というOL。

『過去の援助交際歴をネタに、関係を強要され続けている』という渋谷の元ギャル。

『借金が返せなくなるほどホストに貢がされた挙句、風俗に沈められた』という元ホステス。

依頼者の殆どは女だ。



『できることなら表沙汰にはしたくない』非力な弱者に纏わり続ける悪夢に対し、

彼女達は『非合法的なやり方』で決着をつけて欲しいと心底願っている。

俺が立ち上げた『ケンカ代行屋』と言う裏稼業も、まさに時代のニーズが反映された職業だろう。



いや、『ボディガード』じゃねえんだ。

あれは、自分が盾になって要人を警護する仕事だろ?

俺がやっているのは『依頼人から指定された相手』を一方的にブチのめす商売だ。

報酬は『セキュリティのレベル』や『相手の殺傷能力』によって変わる。



プロ格闘技の選手をぶっ倒したこともある。

俺の仕事は、相手が戦意を喪失するか、気絶するまで一方的に攻撃し続けること。

最後の姿を写真に撮り、依頼者に送れば任務完了だ。

もちろん失敗に終わった場合、報酬は発生しない。

ターゲットを殺し損ねた『殺し屋』に、報酬を支払う依頼人がいるか?

ましてや、こっちは命まで取ろうってんじゃねえんだ。

これは『ケンカ屋』としてのポリシーの問題なんだよ。

負けたこと? ある訳ねえだろ?

俺はプロのケンカ屋だ。



いいか?これは『試合』なんていう生温いもんじゃねえんだよ。

どんなにやり方が卑怯だろうと『ブチのめされりゃあ負けは負け』それがケンカだ。

依頼者の目的を叶えるのが仕事なんだから、ブチのめす為の手段は選ばない。

俺のスタイルは基本的に『奇襲』だ。

相手が警戒していないタイミングを狙い、繁華街の路地裏などですれ違い様に攻撃する。

『戦闘モード』になる必要のない環境なら、プロの格闘家でさえ攻略するのは難しくない。



それでも俺は、真剣勝負(シュート)ならプロレスラーを最強と呼んでも過言ではないと思う。

『お互いが仕掛けた技を最後まで受け切る』という彼らのタフネスさは、

『ケンカでは恐ろしいほどの脅威となる』のは疑いようのない事実だ。

リングでは『ファンを喜ばせるためのショウ』を演じているプロレスラーが、

総合的に判断すれば、ケンカにおいて『最も奇襲に耐えうる存在』だと言える。



他にも、柔道家とやる時はアスファルトなどの硬い路面を避けることや、

足技を使える相手には、足元が不安定な環境で狭い場所を選ぶことなど、

仕留め損ねた場合も想定し、ありとあらゆる展開のシナリオを用意しておく。

下手をすりゃあ、こっちの命も危うくなるからな。

ミイラ取りがミイラになったんじゃ、この商売は成り立たない。

もちろん金が稼ぎたいだけなら、ケンカ屋なんてとっくに廃業してるよ。



まあ何と言うか、俺の『歪んだ正義感』と『純粋な凶暴性』が見事に反映された職業だな。

こんな割に合わない仕事、そもそも好きじゃなかったら続けられないだろう?



おっと、闇サイトを経由して、また一件ケンカ代行の依頼が来たようだ。

ターゲットは・・・『現役力士』か。

そういえばコイツ、闇でリサーチすると『女関係』あんまり評判良くねえな。

常に付き人が周りにいる環境じゃあ、単独で狙うのはまず無理だろう。

『お客さん、少々お値段のほう、高くつきますよ?』



『ケンカ代行承ります』

* この物語はフィクションである 



 ~第二話へ続く~

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コメント

稀勢ノ里

インチキ臭い3兄弟のボクシングより、
大相撲を見てる方がずっと楽しい。

特に稀勢ノ里が好きだ。

親方が亡くなった時、
あの大きな身体でボロボロ泣いてるのを見てファンになった。


それにしても新連載!
とっても楽しみです。

それにしても相撲取りは強敵だなあ~。

あの取り組みの時の「ゴツ!!」っていう頭同士のぶつかる音を聞いてると、、、ちょっと遠慮したいなあと思っちゃいます。


待つ、次号!

Re: 稀勢ノ里

先生、稀勢の里が好きなんですか?
早く日本人横綱も復活して欲しいですね。

続編は・・・、
全然考えていませんでした (≧∇≦)
一話読み切りのつもりでしたのでw

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