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2013-08-09

レインボーブリッジを通過せよ ~前編~

あなたは、この【真実の物語】を知っているだろうか?

我がボクシングジムで、2人目の日本チャンピオン・Tがベルトを奪われたあの夜、

本当の意味で『ベルトを取りに行った』男達がいたことを・・・。



あの日もセコンド陣が集まり、私の車でジムを出発した。

いつものトンカツ屋でゲン担ぎの昼食を済ませ、一同『後楽園ホール』へと向かう。

あの頃はまだ、車にナビゲーションを搭載しておらず、首都高に不慣れだった私は、

ジムの会長であるU田氏の道案内で、順調に目的地へと車を走らせていた。



後楽園ホールの地下駐車場に到着すると、いつもの喫茶店へ入る。

ここでお茶を飲むのが、試合に臨む前に我々が行う最後の儀式だった。

私はいつも通りホットコーヒーを注文し、ブラックで味わった。

セコンド陣で、たわいもない話しをしながら集中力を高めていくのである。

全てはいつも通り、順調だった。

そして、何の前触れもなく『あの事件』は起きた。



『あ~、ベルト忘れちゃったよ』

会長が慌てる素振りもみせず、淡々と口にしたのだ。

私もそこまで馬鹿ではない、車から喫茶店にベルトを持ち込む必要などない。

『忘れた場所』は一瞬で理解できた。



『冗談でしょ?』

私は怒りを堪えながら、タメ口で聞き返した。

『いやいや、本当だよ。2人で戻ろうぜ』と、会長。

確かにタイトル戦までは十分な時間が残されていた。

しかし、その日はうちの4回戦が前座で1人試合を控えていたのだ。

万が一、試合中の事故対応などを考慮し、やはり会長は残るべきとの結論に達し、

私と『セコンド兼カメラマン』を務めていたポッチン氏の2人でジムに戻ることとなった。



問題は1点だけだった。

『首都高の箱崎からアクアラインに乗るまでの、目まぐるしい車線変更』である。

私は20代の頃、仕事で千葉の市川市まで毎日車で通っていた経緯があり、

東京近郊を車で運転すること自体にそれほど抵抗はなかった。

むしろ地元の運転マナーの悪さに比べたら快適に感じるほどだ。

しかし、箱崎は別だ。

高速道路である上に、短いスパンで何度も車線変更をしなければならない。

ナビなしで数回しか走ったことのないエリアである。

うっかり見落としただけで、アクアラインに乗り損ねてしまうのだ。



そこでアドバイスをくれたのが、私と共に一時代を築き上げ

チャンピオン・Tのトレーナーでもあった盟友K氏だ。

『とにかく、レインボーブリッジの看板を目指していけばアクアラインに乗れます』と。

うん、実にシンプルで解りやすい。車線変更を暗記するより確実である。

さすがは名トレーナー、これこそが彼の指導力のベースなのだ。

私はK氏に敬意を払い、ポッチン氏と共に後楽園を後にした。



* 【後編に続く】



 ~END~

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コメント

おぼえてない、、

ああ~、、、嫌なことは忘れたい!
そうゆう機能が脳にはあるんでしょうなあ。

全然思い出したこともなかったよ、、、

なんでこんな事思い出したんだよ~


後編、、早く読みたーい。

Re: おぼえてない、、

先生、俺の自慢は記憶力の良さです。

特に『自分以外の人間』の言動が (笑)

明日、後編を書きますね。お楽しみに。

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